みくり (実栗) 

学名  Sparganium erectum (S. stoloniferum)
日本名  ミクリ
科名(日本名)  ガマ科
  日本語別名  
漢名  黑三稜(コクサンリョウ, hēisānléng)
科名(漢名)  香蒲(コウホ, xiāngpú)科
  漢語別名  三稜(サンリョウ,sānléng)
英名  Bur reed
2024/05/24 植物多様性センター 
雌花 雄花
2023/06/21 植物多様性センター 

 ミクリ属 Sparganium(黑三稜 hēisānléng 屬)には、北半球の温帯・亜寒帯に約19種がある。

  ホソバウキミクリ S. angustifolium(綫葉黑三稜)
  S. confertum(穗狀黑三稜)
  エゾミクリ S. emersum
  ミクリ S. erectum(S.stoloniferum;黑三稜 hēisānléng)
         
『中国雑草原色図鑑』280・『中薬志Ⅰ』図10
    オオミクリ var. macrocarpum
  ヤマトミクリ S. fallax(曲軸黑三稜)
  タマミクリ S. glomeratum(短序黑三稜)
  ウキミクリ S. gramineum
  チシマミクリ(タカネミクリ) S. hyperboreum(無柱黑三稜)
  ナガエミクリ S. japonicum
  S. limosum(沼生黑三稜)
  S. minimum(矮黑三稜)
  エゾミクリ S. simplex(小黑三稜)
 『中国本草図録』Ⅳ/1907・『中薬志Ⅰ』図11
  ヒメミクリ S. subglobosum(S. stenophyllum; 狹葉黑三稜)『中薬志Ⅰ』図12 
  S. yunnanense(雲南黑三稜)
  
 なお、漢名を荊三稜というものは、ウキヤガラ Scirpus yagara(S. fluviatilis)。
 ガマ科 Typhaceae(香蒲 xiāngpú 科)については、ガマ科を見よ。
 和名は、果実の形が栗のいがに似ていることから。
 『本草和名』及び『倭名類聚抄』三稜草に、「和名美久里」と。
 『大和本草』三稜に、「河内ニテハ矢カラト云」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』10 荊三稜に、「ミクリ
和名鈔 ミツカド藝州 ウキヤガラ伏見 ヤガラ河州 ロウトウ播州」と。
 北海道・本州・四国・九州・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・華北・陝甘・江蘇・江西・湖北・雲南から、ユーラシア・北アフリカの温帯に分布。
 全国では準絶滅危惧(NT)、埼玉では絶滅危惧ⅠB類(EN)。
 中国では、塊茎を三稜(サンリョウ,sānléng)と呼んで薬用にするものに、荊三稜と 黑三稜とがある。

 『中藥志 I』pp.23-31 によれば:
   薬名を荊三稜というものは、次の植物の塊茎である。
     ミクリ S. stoloniferum(黑三稜)
     エゾミクリ S. simplex(小黑三稜)
     ヒメミクリ S. stenophyllum(細葉黑三稜)
   薬名を黑三稜というものは、次の植物の塊茎である。
     ウキヤガラ Scirpus yagara(荊三稜)
   このように、荊三稜と黑三稜とは、植物名と薬名が入替っている。

 『全國中草藥匯編 上』pp.32-34 によれば:
   三稜(黑三稜)はミクリ、荊三稜(泡三稜)はウキヤガラである。
   

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